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009 『雨宿り』 [イメージ小説『雨宿り』]

夕食の時間。

ホテルの宴会場で、生徒全員が食事を共にした。
和室の大広間で、長いテーブルを挟んで生徒達が座っていく。
座る位置は自由に各々が、気の合うもの同士自然に、並べられた座布団に座っていった。
雨田はその席取りを見詰めていた。
そしてクラスメート達が皆席に着いた後、雨田は空いている座布団に着こうとしていた。

座ろうとする雨田を、隣の男子生徒が見上げた。そのあと、その生徒は反対側の生徒に向かって何か言ったように見えた。

食事が始まった。
隣同士、
「おまえ、今日の農業体験どうだった?」
などと話が盛り上がり、あちらこちらから笑い声が絶え間なく聞えていた。

「はい、お醤油」
という言葉が、うつむいて食事を黙々としていた雨田の方に向かって聞えた。
雨田の両隣の男子生徒達は、雨田が気付く前に、その声の主の方に目が移った。
そして、うつむいたままの雨田に目を移すと、やっと何かに気付いたように雨田が顔を上げた。
雨田は視線を左右に揺らした。

そして、彼の斜め右前にいた女子と目が合った。

影木だった。

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