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212 『 天国からの友だち (a friend from heaven) 』 [小説『a friend from heaven』]

「どうかしたの?」
「えっ、いや、感動しちゃった。あっ、プレゼント。はい、メリー・クリスマス」
「うふ、ありがとう。じゃあ、これ。メリー・クリスマス」
「何かな。わー、今年は手編みの手袋。サイズ、ぴったりだよ。ありがとう」
「私のは、何かな。あっ、手袋。かわいい。ありがとう」

  
  夢のような時間が過ぎて行く。このまま幸せへと向かって行っていいのだろうか。加藤さんとかおりを、まだ同一視しているのではないだろうか。こんなことは許されるのだろうか。どうすればいいのだろうか。答えが分からなかった。

「今日はありがとう。料理、おいしかった。それじゃあ」
「うん、プレゼントありがとう。バイバイ」
タグ:小説
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211 『 天国からの友だち (a friend from heaven) 』 [小説『a friend from heaven』]

  二十四日に約束をした。
  その日、二人で先にスーパーへ食材を買いに行った。そして、加藤さんのマンションに着いた。

「へー、立派なマンション。うちのぼろアパートとは、大違いだね」
「ワンルームよ。さあ、中に入って」

  女性の一人暮らしの部屋に入るなんて、生まれて初めてだ。緊張していた。加藤さんは手際よく調理を進めていく。僕は調味料を渡したりするだけで、おたおたしている。なんだかまるで、新婚夫婦のような気分に浸っている。

「さあ、これで完成。食べましょう」

  食卓に様々な料理が並べられている。それから、小さなクリスマスツリー。ワイングラスがキャンドルの光でキラキラ輝いている。美しい。映画に出てくるようなクリスマスの風景。そして、彼女の優しい笑顔。それは幻想的とも思える情景に感じられた。
タグ:小説
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210 『 天国からの友だち (a friend from heaven) 』 [小説『a friend from heaven』]

  あっという間に秋が過ぎて、冬、十二月になった。今年のクリスマスはどこへ行こうか。毎年恒例のように考えていた。もちろん、相手は加藤さんだ。加藤さんとの交際は続いている。迷いながらだが、彼女といる時間はとても楽しい。この気持ちは事実で、偽りはない。今回で三回目のクリスマス。毎年彼女と過ごせるなどと最初は思ってもいなかった。
  加藤さんに訊いてみた。

「加藤さん、今年のクリスマス、どこか行きたいところある?」
「うん、私の家でパーティーは、どう?」
「えっ、加藤さんの家で。僕が加藤さんの家に行っていいの?」
「そう。阿部君は、嫌なの?」
「いや、そんなことはないけど、女性の部屋なんて行ったことがないから」
「あら、また緊張しちゃってるの?うふふ」
「そう、ははは。分かったよ。加藤さんの家でパーティーに決定」
「うん。私が作るけど、阿部君、手伝ってよ」
「でも、役に立つかな。料理らしいことはやったことがないから」
「大丈夫よ。私があれこれ命令するから、それに従ってね。うふふ」
「はいはい、なんでもおっしゃる通りに致します。ははは」
タグ:小説
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