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小説 『ナダ(tears)』 ブログトップ
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31 『 ナダ(tears) 』 (後書) [小説 『ナダ(tears)』]

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

この作品は、2年以上前に書いたものです。

心中、自死を扱っていますが、

それを美化して書いたつもりではありません。

また、否定もしません。

ただ、そういう選択肢もあるのではと思っているだけです。

心中という形ですが、相手の意志を確認できない状態で、

自分の思い込み、想像でそれを実行したことは、

無理心中ということになるのかもしれません。

自分勝手で、わがままな行為なだけと、とられるかもしれません。

けれど、言葉を交わさなくても相手の気持ちを理解できるということは

あるのでは、と思っています。

人間ですから、言葉によるコミュニケーションで、自分の考え、

気持ちを伝える。 また相手を理解する。 

それが始まりなのは分かっています。

けれど、それがすべてだとは思っていません。

それを超えた世界、言葉を超えたものが、存在すると思います。

心のこもっていない、上っ面な言葉が饒舌に飛び交い、

そこに秘められた悪意に翻弄されている状態が、

酷くなっていっているように感じます。

騙される方が悪いと言い切る人間も増えている始末。

言葉なんて必要無いと思われることは、ないでしょうか。

凶器のような言葉を。

言葉を超えた心の繋がりのようなものはあるでしょうし、

大切だと思っています。

言葉では表せないもの、それが、

思いやりや情というものではないかと思ったりしています。

もちろん、言葉によって癒されることがあることも理解しています。

そこには、情が込められているからだと思っています。


次の作品を載せていきますので、

読んでいただけたらと願っております。
タグ:小説
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30 『 ナダ(tears) 』 [小説 『ナダ(tears)』]

「リカ、ごめんよ。俺、これしか思いつかないんだ。許してくれよ」

  アキラは、リカの手と自分の手をロープで結んだ。体にもロープを巻きつけた。二人が離れないように。

  アキラは、リカを抱きかかえた。

  そして、海の中へ向かっていった。

「リカ。俺、本当に幸せだったよ。リカと出会えてなかったら、こんなに穏やかで、楽しい人生おくれなかった。ありがとう。リカは、どうだったのかな?幸せだったのかな?そう思ってくれれば、うれしいんだけど」

「さあ、行こうか。俺達二人が許される世界へ。ずっと、リカの側にいるからね。愛してるよ。リカ。幸せになろうね」

  アキラは、リカに口づけをした。


  運命に導かれるかのように、そのまま二人は海の中へ消えていった。

  辺りは、いつものように静まり返り、星が輝いていた。

  まるで、初めから二人が存在していなかったかのように。


       
タグ:小説
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29 『 ナダ(tears) 』 [小説 『ナダ(tears)』]

  次の日、いつもより早く起きて、二人でゆっくりと散歩をした。

  この清らかな風の中、この美しい景色の中、この穏やかな時間の中、それを慈しむように。幸せを愛しむように。

「リカ。ここって、ほんとにいいとこだよね。まるで天国みたい。たぶん、天国って、こんな所なんだろうね」

  その日は、店を閉めたままにしておいた。

  昼間、アキラは、リカをお風呂に入れた。きれいに彼女の体を洗った。

  美容院の人に来てもらって、リカの髪を切ってもらい、化粧もしてもらった。

  夜遅くになった。

  アキラは、リカをパジャマから着替えさせた。彼女のお気に入りだったTシャツに。

  リカを車椅子に乗せ、海岸へ向かった。

  海岸に着くと、アキラはリカの肩を抱いて、話しかけた。
タグ:小説
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